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​腰痛に対する考え方、治療法

​腰痛は老若男女問わず、日本人の愁訴の中で最も頻度の高いものです。

腰痛というと幅広いですが、まずは大まかに問診で、

・急性のもの、慢性のもの、その中間(亜急性)

・外傷性、非外傷性

・神経症状を伴うもの、伴わないもの

などを分類していきます。

その中で、red flag サイン(危険な腰痛のサイン)が無いか見極めます

  • 発症年齢が20歳未満、または50歳以上の腰痛

  • 安静時痛

  • 胸部痛がん、ステロイド治療、HIVの感染の既往栄養不良

  • 体重減少

  • 広範な神経症状(膀胱直腸障害)

  • 発熱

重篤な疾患や骨折などが否定できれば、臨床経過、診察所見、神経学的所見、X線所見などから腰痛の原因を推察していきます。​特に器質的な腰痛の原因としては、椎間関節性、椎間板性、仙腸関節性、神経根性、筋・筋膜性、心因性などの原因が挙げられます。

腰痛の起源を探るためには、ブロックと言われる注射の方法で疼痛が改善できるか、治療を兼ねた検査を行います。特にぎっくり腰に代表されるような椎間関節性や仙腸関節性の腰痛には効果的なことも多くまずは試みる治療です。関節を安定させるためにコルセットの着用も効果的なことが多いです。椎間板性や神経根性が強く疑われる場合は、MRIによる評価を積極的に行い神経根ブロックや仙骨硬膜外ブロックなどを試みます。消炎鎮痛剤(NSAID)やプレガバリン・ミロガバリンといった薬による治療も効果が期待できます。症状が強い場合は外科的治療(手術)を検討することもあります。筋・筋膜性の要素が強いケースは、主にコアトレーニングやマッケンジー法による運動療法を中心に時間をかけて行っていきます。注射としてはトリガーポイントや筋膜リリースを行うこととなります。心因性の要因が強ければ認知行動療法を中心とし、場合によっては心療内科へのコンサルトも検討いたします。薬物療法としてデュロキセチンやトラマールといった薬を試みる場合もあります。

いずれにしてもこれらが単一の原因として断定できることは少なく、多くはこれらが複合的な要因として複雑に交絡することが多いと考えられます。

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